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Books as Art <1991> [3]

"Books as Art" Boca Raton Museum of Art
p.78 Glossary


なんと巻末に用語集を発見!これは興味深い。


artist's book:
large or open edition books, often inexpensive, conceived, designed and frequently published by the artist

livre d'artiste:
books which contain fine art prints and are usually accompanied by a text of either poetry or prose. This collaboration can extend to a number of artists and artisans. This term is used more generally than the arcane term livre de peintre to include books by artists not necessarily known primarily as painters.

livre de luxe:
livre d'artiste which is distinguishied by lavish production and costly price.

bookworks/book-objects:
usually unique, artwork in book form incorporating any one or combination of painting, elaborate binding, collage and mixed media


アーティスト ブック:
ラージエディション、もしくはオープンエディションの本で、値段も大抵はそれほど高価ではない。考案、デザイン、しばしば出版までもが、アーティスト自身の手によって行われたもの。

リーブル・ダルティスト:
ファインアートのプリントが含まれ、通常、詩か散文のテキストが添えられている。このコラボレーションは、複数のアーティストや職人によるものである場合もある。このタームは、少数の人にしか知られていないターム、リーブル・ドゥ・パントルよりも一般的によく使われ、ペインターでは無いアーティストによる本も含む。

リーブル・ドゥ・リュクス:
その豪華なつくりと、高い値段によって、リーブル・ダルティストとは区別される。

ブックワークズ/ブック・オブジェクツ:
通常とてもユニークな本の形式のアートワークのことを指し、ペインティング、手のこんだ製本、コラージュ、ミクストメディアのどれか1つ、もしくは2つ以上を組み合わせたものを盛り込んだもの。



というわけで、
この本では(そしておそらくは展覧会「Books as Arts」自体でも)、このようにタームを使い分けているようだ。とはいえ、この定義は未だ万人に浸透しているものとは思えないし、果たしてここに書いてある定義が絶対なのかも疑問。これからいろんな人の単語の定義を見かけるたびに比較して行こうと思う。とりあえず、今後の比較対象の基準としては、ほどよく整理されてるのでは?
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by midori_sakai | 2006-03-12 01:18 | 全般的なこと

Books as ART <1991> [2]

再び読み進めている。

"Books as ART"
Boca Raton Museum of Art
p.10 by Alexandra Anderson-Spivy

" Any historical view of the development of the avantgarde in Europe and America cannot ignore the transition of the book from a container of information to an enormously adaptable art medium whose manifestations have proliferated globally in the last thirty years. What other art form is portable, almost infinitely flexible in format, susceptible to interdisciplinary collaboration, and amenable to multiple and mass production?"



「ヨーロッパとアメリカにおけるアヴァンギャルド運動の発展を歴史的観点から見るときに、情報を入れる器から、非常にアダプタブルなアートミディアムとして変遷を遂げた本というものを無視することはできなく、こういった本はここ30年間で世界的に数多く生まれている。他のどんなアートフォームが、このようにポータブルで、その形式がほぼ無限にフレクシブルであり、他分野のコラボレーションを受け入れやすく、そして複製や大量生産が可能だろうか?」



「ほぼ無限にフレクシブル」。
ブックアートの持つ面白さは、本来的にはここなんじゃないかと思っている。

それが「本」であると言い切れば、なんであれ、それは「本」になり得るのだ。


もちろん現在の日本の、そしておそらくは海外もそうは変わらない出版/流通事情の中では、そのフレクシブルさを有効に活用することは、意外と難しい。たとえばどんな書店だって予め「棚」というものが、そこを埋めるための本を待っているし、平積み用のスペースだって限られている。(平積みばかりだと場所ばっかり取って、点数は置けないですから。)けれどそれを「常識」として受け入れてしまっては、マイノリティはどんどん排除されるばかりだ。創り続けるべき人が、フレクシブルに創り続けるべきこと。注目すべき人が、フレクシブルに注目し続けること。そうやってどんどん面白い本が人の目に触れるようになり、既成概念が崩れていけばいいと思う。きっとブックアート界はそうやって発展してきたのだ。だっていまやそんなに驚かないけれど、バインドされていない(綴じられていない)本が最初にどこかの店頭に並んだときはきっと誰しもがこんなの本じゃない!って思ったに違いないし、そもそも店頭に並べるまでだって、店長を説得するのはタイヘンだったはず。だから止まらないこと。続けること。進み続けること。そんなことが、きっとこれからもブックアートの歴史をつくっていくのだと思うのだ。
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by midori_sakai | 2006-03-09 17:42 | 全般的なこと

Books As Art <1991>

f0086867_251211.jpgというわけで、まずはこのブログのタイトルと同じ名前の本を購入することを決める。

働いている美術書店で、いつも暇があればパラパラ捲っていたのだけれど、朝来るたびに「売れてたらどうしよう!」と思うのがいい加減苦痛になってきたのだ。


この本をまずは少しずつ読んでいこう。

"Books As Art" Boca Raton Museum of Art

この本は、1991年8月30日~10月6日にBoca Raton Museum of Art で行われた展覧会"Books As Art"の展覧会図録として出版されたものの改訂版第二刷のものである。どうやら装丁に凝ったコレクターズエディションも150部あるようで、欲しくてくらくらする。


この展覧会のキュレーターであるTimothy A. Eatonの文章より。

"The books in this exhibition are not books about art but are books that make art statements in their own right, within the context of art."


「この展覧会で展示される本は、アートについての本ではなく、アートのコンテクストの中で、それ自身がアートとしてのステートメントを打ち出している本である。」



私は前述したように美術書店で働いてもいたりするわけだが、仕事の内容と関わらず、美術書に囲まれている、という状況には癒しと幸せを感じる。分厚いカタログ・レゾネや、薄いが間違いなく貴重なドローイング集や。美術史全体に関してはまだまだ不勉強な私だが、それでもいくつもの作品の写真が並んでいるのをパラパラとページを繰りながら見るのは楽しくて仕方ない。けれども、今、私の興味がそそられるのは、もう一歩先のアート本なのだろうな、とも思う。その本自体が、アートであるような本。本という形式について、思考に思考を重ねた上で、もしくは天才的な直感に基づいて制作されたようなもの。materialやtextureやbindingにこだわりを持ち、その本の方法論自体がアートであるような本だ。アーティストの作品を収めた本は数多あるが、やはり特殊なつくりをした本は大量生産がしにくいうえにコストは上がるので、それほど多くは無い。(とはいえ全て把握できるほどは少なくないが 苦笑)

ワクワクするようなスリリングな本がいい。これからちょっとずつ見つけていこうと思う。
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by midori_sakai | 2006-03-08 02:28 | 全般的なこと

はじめに

このブログは、アーティストブック/アートブック/ブックアートなど、様々な名称を持つようなものたち、とにかく「本」と「アート」に関わることたちについて、日々少しずつ勉強しながら考えながら、その魅力と可能性を探ろうとする一人の人間の軌跡を記したものである。(ものになる予定では少なくとも、いる。)


なんて堅めに言ってはみたものの、興味はなるべく広く。

本?アート?どっちとも関係なくても、
デザイン?製本?とにかくどっかしらに引っ掛かってしまったのならしょうがない。

エキサイティングな本/アート、(のようなもの)であれば。
恐れずバシバシ取り上げて行きたいと思う。


考える前に、もしくは考えながら。とにかくどんどん進んじゃいたいと思います。
(考えてからじゃこんなタイヘンなブログ始められないってば。)
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by midori_sakai | 2006-03-07 01:25 | はじめに

はじめのおまけ

「お前は絵本とエロ本を行ったり来たりしてる本みたいだ」

そう言われたことがある。

「ボルヘスの『砂の本』みたいな人だね」

とも。


******

本とはなんだろう。アートとはなんだろう。
アーティストブックとは?アートブックとは?ブックアートとは?


夏の夜独特の熱気の立ち込める新宿の東南口の長いエレベーターを下ってちょっと左。煌々と光り続けるGAPと駅広場との間の細い道で、少年たちがスケボで繰り出す技をぼんやり見遣りながら、そして待ち合わせ場所に珍しく15分も早く着いた自分を呪いながら、あたしは何故かそんなことを考えていた。この街を行き交う人たち。そこで起きるいくつものことたち。アートってほんとはそんなものなのかもな、と、そんな感傷的なことに考えを巡らせながらも、結構真実なんていうのはこっち側に隠れているような気がしていた。

同時に、本についても考えていた。(いろんなことを同時に考えるのは昔からの癖。)街にはたくさんの文字が落ちている。表面上の意味や一般的な価値基準とは離れたところで、これらの文字はひょっとしたら誰かの壮大な記憶に内包されているのかもしれない、と想像する。実際のところは当事者にしかわからないし、同じ文字が複数人の記憶に内包されているのかもしれない。けれど、そこになんらかのストーリーが潜んでいるかもしれないという可能性。それを想うと、もう既にそれらの文字たちは、唯の風景では無くなり、誰かにとっての大事なテクストにばかり見えてくる。その場合、あたしがさっきから握り締めているこの文庫本と、この街に、どんな違いがあるというのだろう?



そんな他愛も無い、ゆらゆらとした思考が始まりではあったのだけれど。


その瞬間から、この街はアートで、この街は一冊の本に見えてきて。
この世界も宇宙もアートで本のような気がしてきた。
そしてその隅っこでそんなことを考えている自分自身も。


アート/ブック。


そんなわけで、それからあたしは本とアートにずっと囚われているのである。


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by midori_sakai | 2006-03-06 00:06 | はじめのおまけ

profile

酒井翠(midori sakai)。

広義のブックアーティスト。

現代美術作家。
『それ、はね』という、本のアートとしての可能性について思考しながら、1つの質問に108の回答を羅列するという形式のコンテンツを、様々なメディアに載せて=様々な形式の本としてシリーズで発表しています。

役者/パフォーマー/美術書店店員(美術書・アートブック輸入回り担当)でもあり、

通訳/翻訳/ライター業も随時受付中。
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by midori_sakai | 2006-03-05 01:28 | profile