定義ばかり追いかけてると、ちょっと息が詰まりそうなので。
それはゆっくり様々なソースを調べながら考えていきたいと思います。 で、その合間合間でアートや本に纏わる本屋/出版社/材料屋/展覧会/などなど とにかくアートや本と関係があって、そして私がその都度紹介したいと思ったものや、調べてみたものなどを気負い無く紹介していこうと思います。 で、今日は、望月マテリアル有限会社。 と、名前を出してみても多分ほとんどの人は「?」となっていることでしょう。 これは、スピンの会社。正確に言うと、スピン以外にも花布(はなぎれ。ハードカバーの本の背のとこの上と下にちょっと布みたいなのがありませんか?それです。)なども扱っています。 スピンというのが何かということを一応説明しておくと、紐です。本のしおりになるものです。 コストダウンのために、今では文庫では新潮文庫にしかついていませんが、私は非常に不服に思っています。特に新潮社信者でもないのですが、文庫で同じタイトルが複数の出版社から出ている場合、私は迷うことなく新潮社から買います。理由はひとつ。スピンがついているから。あれほど便利でかつ美しく、品も歴史もあるものをコストダウンなんていうどうでもいい理由で辞めてしまう他の出版社文庫部のセンスを疑います。 嗚呼、つい熱くなってしまいましたが、この望月マテリアルには、以前私がスピンを使用した作品を製作したときにお世話になりました。神保町にあるその店で色とりどりの見本を見せられたときの興奮は忘れられません。あと衝撃的だったのは、スピンの値段。 150mで210円。 絶対に桁を一個間違えているはず!と思い、電話で何度も確認しました。 もうひとつ、この会社を訪れて思ったことは、ああ、この会社は本の紙の部分以外のものを取り扱う会社なのだな、ということ。あまり普段は本を、「紙」と「それ以外」という風に分けて考えることは無かったので、なんだか新鮮だったことを覚えています。一般的な王道の「本」というものをイメージするとき、つい「本は紙でできている」と考えてしまうのだけれど、スピンも花布も、紙ではない。分類的には布に近いものです。紙+布の本が流通に載っているのならば、紙+鉄もあり?とか。そんな簡単な話ではないとしても、「紙だけでできているわけではない」という風に少し考え方を改めることで、可能性が急に開けるような、イメージの転換を起こせるような気がしたのでした。 これはずっと言っていることなのですが、いつかスピンを大量に使用した作品をつくります。イメージはもうあるのです。それまで、せめて新潮文庫はスピンをつけ続けていてくれますように。
by midori_sakai
| 2006-04-03 16:17
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